11/12/2018

LWはv2018から価格が底上げされましたが、価格と性能の釣り合いが取れていないように思えます。特にLWの基本性能としてモデラーが足を引っ張っていて、その中でもUV編集関連は致命的な機能遅れが発生しています。勿論、それ以外にも足りてない機能や改廃すべき要素は個人的に多々あると感じていますが(具体的には次回)、今回はLWのUV編集性能だけに絞って、現状で最低限足りてない部分だけを提案してみます。


UVビュー上でエッジ選択が出来ません。この仕様はv9でエッジ選択が導入された時から今に至ります(ざっと12年間放置中です)。エッジ選択は特別な機能ではなく、基本の編集システムと言えますから、12年放置はもはや開発の怠慢ではないかとさえ思えます。エッジ選択が可能になれば以下の幾つかの機能の効率化にも価値を見出すことが出来ます。


UVのステッチツール(UVの移動縫合ツール等)がありません。
頂点縫合ツールってのはLWにありますが、シェル(UVアイランド)ごとに移動して縫合出来るようなツールがありません。このような機能があればUVシェル(アイランド)のアタッチ作業効率は格段に(別次元に)向上します。(勿論、前提としてUVのエッジ選択が出来なければ満足行く作業性が得られないのは言う迄もありません。)


Catmull-Clark対応のUV補完モードがありません。
LWのCatmullはリニアUVだけなのでジオメトリ形状によってはテクスチャが歪みます。
余談になりますが、LWのCatmullはジオメトリを増やす編集を加えるとSDSが崩壊します。編集性能の常識としては有りえない仕様(もはやバグ)ですが、このへなちょこ仕様も実装当時のv9から放置されていて、もはや他社の編集性と比べるとCatmull実装の体を成していないと思います。

使えないUV対称編集システム。
対称編集も今や基本システムと言えますが、LWのUVではワールド座標(X=0)を中心基準としたUV対称編集が出来ません。U=0.0を対称境界とした対称編集は可能ですが(但し非連続UVはダメ)、このなんちゃって仕様だと対称させたいUVアイランドはその中心を全てU=0に配置し直してから。という実用価値の見いだせない仕様となっています。昨今では指定軸を基準としたUV対称編集が出来なければいけません。


UVの最適化(リラックス)機能。
メッシュのスケールに合わせたUVの最適化(リラックス)ツールが有りません。
標準にSmoothUVsってのがありますが、これはメッシュスケールを無視したスームース処理を行う仕様なので殆ど役に立たちません。ちなみにサードパーティツールのPlgにはUVRelaxツールがあります。仮にこのPlgツールが無ければLWでのUVリラックス処理は困難極まり無い状況に陥っていたと思います。リラックス機能はUV編集の定番と言える基本機能の一つです。


UVアイランドの自動レイアウト処理(UVパック)。
LWには有りません(Plgには優秀なパッキングツールがありますが)。
先程のUVレイアウト同様、これも今ではUV編集の定番ツールの一つと言って良いと思います。


UVビューのビットマップ画像の保存機能。
LWの標準ツールには無いので、代用としてOSのプリントスクリーンでキャプチャするか、eps保存(Export EPSツール)を利用するかのどちらかになるかと思います。
サードパーティのフリープラグインにはビットマップ保存出来るツールがあったように記憶してますが、今それがあるのか、そしてv2018で動くのかはわかりません。
何れにしても他社ツールにはネイティブでビットマップをサイズ指定/保存出来るツールがあるので、LWにも同じように必要だと思います。(上図のスナップショットツールのパネルは自作の絵です)


UVの保持機能。
これもLWにはありませんね。UVマップ展開後にメッシュの移動や回転、スケーリングした時にUVマップが自動補完され、テクスチャを保持する機能です。
他社ではトランスフォーム関連ツールのオプション機能です。
図の上段は通常のエッジ移動を行ってテクスチャが歪んでしまう結果です。
下段の図は移動ツールにUV保持オプションが搭載されたと仮定した時のエッジ移動でUV自動補完が働いてテクスチャが歪まない結果を表しています。
又、図にある移動ツールパネルにはUV値の入力欄が付いていますが、このUV数値入力欄に関しては次項で説明します。尚、このようなUV保持機能は非破壊編集性能の一つです。ちなみに、LWのウェイトマップは結構非破壊ですが、UVマップは多くの編集ツールでUV破壊が引き起こされます。この非破壊編集性に関する件も次回以降に取り上げてみます。


インタラクティブなUV数値編集。
マウスカーソルがUVビュー内にある時は移動・回転・スケール等の基本編集ツールの数値入力パネル内にUVの数値欄(絶対/相対値)を実装して欲しいですね(これは希望です)。
現在はマウスカーソルがUVビュー内にある時にモデラーUI左下の数値情報欄にUV値表示されますが、UV移動等のUV編集時はその欄のUV値は表示されません。このUI左下欄の仕様もツール改良に合わせて見直すべき点の一つだと思います。


基本の編集ツール(ポリゴン/エッジ/ポイント)以外はUV編集に未対応なツールが多いです。特にv11頃に追加された比較的新しいツール群がUV編集に対応していません。
図はAxis Rotateツールがアクティブな様子を表していますが、実際にはこのようにUVビューでAxis Roateツールは使えません。他にもAxis TranslateやTransform等々、これら新ツール群は全てUVビュー非対応です。新ツール設計の際にはUV編集への対応もきちんと考慮すべきです。


LWにはUVのオーバーラップ表示機能がありません。
UVの重なってる箇所を色表示する機能です。昨今では当たり前な機能と言えます。


UVの歪(ディストーション)表示機能もありません。
ジオメトリのメッシュ密度に対してUVの圧縮/伸縮されている箇所を色別で表示する機能です。LWにはこの表示機能が無いので正しい密度でUV展開出来ているかを確認する為に、チェッカー模様のテクスチャを貼りますが、このUV歪チェック用のチェッカーパターン表示機能もLWにはありません。
昔はイメージエディタで画像に対してテクスチャフィルターを適用し、チェッカー模様のプロシージャルマップを画像に貼り付けることが出来ましたが、v2018(0.7)ではモデラー側でテクスチャフィルターが起動しないので(バグなのか仕様変更かは不明)、ペイントソフト等で作成したチェッカーテクスチャをUVマッピングする手段でしか対応出来なくなりました。


UV境界のライン表示機能もありません。
UV境界をポリゴン選択する機能はありますが、選択性能として不完全で且つポリゴン選択ではUV境界の正確な確認は難しい為、UV境界確認用途としては役に立ちません。他に非連続UVを示す頂点(赤色)表示機能はありますが、いかんせん頂点表示なので、例えば"□"ポリゴンに"コ"の状態のUV境界がある場合は頂点表示だと、どのエッジがUV境界なのかが分かりません(これも冒頭のUVビューでエッジ選択が出来ない仕様が仇になっています)。


個人的に今のLWに絶対必要だと思うUV関連機能だけを取り上げてみましたが、他にも事前に頂点分離(Unweld)が必要なUV仕様だとか、UV上にポイント残すヘンテコ仕様や、シームレスメッシュを部分的にUVマップ別に分けると、メッシュ状態によっては異なるマップでUVが重複してしまう仕様だとか、昨今の他社ツールの常識として通用しないような、おかしな仕様や機能があります。ですが、取り合えず最低限、上に書いた内容だけでも改善/実装してくれれば、なんとか今の時代で差し当たりない程度のUV編集環境は得れられるのかなぁ。。とは思っています。今後UV関連のモデリングアップデートがあれば、最低でもこれぐらいの内容は一回のアップデートで達成しなければいけないぐらい、今のLWのUV編集性能は遅れていると断言出来ます。

次回は個々のモデリングツールの問題点を主体に、その他の機能遅れも合わせて取り上げてみます。こちらも書き出せば山のようにあるのですが、なるべく必要最低限に絞って提案してみたいと思います。

LWが更に使い易くなることを願って。。

2 件のコメント:

  1. 始めまして。あげていただいた項目は私も最低限必要かと思いますね。なんというか…私もなのですが、今までLWを甘やかしすぎた感があります(笑)ライトウェーバーあるあるですが、ダメな部分自慢や、逆に愛嬌があって良い…等など、ユーザーの懐が深い部分におんぶしてる感がありますね(^_^;)

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    1. ウェーバーは限られた機能を力業で解決することに悦を感じる人種だと思ってます(笑。
      おっしゃる通り、自分含め多くのユーザーが声を出さないといけないのかもしれません。

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