2/06/2018

v2018.0.1(体験版)での質感周りの感想です。
v2018からは物理ベースのマテリアル(レンダリング)システムに移行してますので、v2015以前の旧マテリアルのシェーディングとは互換性が無いようです。下図はスペキュラ(ホットスポット)をレンダリングした結果です。v2015以前のブリンとやフォン等のスペキュラシェーディングモデルは表面粗さ(グロス)が上がることによる単位面積当たりの反射強度は低下(拡散)しませんので、v2018の物理ベースで描画されるスペキュラのシェーディングとは一致しません。

又、v2015以前ではホットスポット(スペキュラ)と環境の映り込み(リフレクション)は独立した反射成分で機能していましたが、v2018からはサーフェスの粗さ(ラフネス)に則した1つの反射成分(スペキュラ)として扱います(物理ベース)。
v2018にはv2015との互換性を兼ねたスタンダードマテリアルが存在しますが、このスタンダードマテリアルにはv2015にあるリフレクションブラーのパラメータは存在しません。よって、v2018のスタンダードマテリアル上でリフレクションの拡散(ぼかし)を行う為には、表面粗さ(グロスやラフネスパラメータ)を制御して反射を拡散させる。と言った物理的なアプローチが必要になります。その制御を有効とするスイッチが、Shading Model > Photoreal > Glossy Reflectionで、このGlossy Reflectionを有効にし、Glossiness(Roughness)パラメータを調整することでリフレクションとスペキュラ(ホットスポット)が連動して拡散します。この時、スタンダードマテリアルのReflectionパラメータはその反射量ではなく反射強度(明るさ)?のようなので、仮にRefrectionを0%に設定しても鏡面反射成分が消えることはありません(これが仕様なのかバグなのかは現時点ではわかりませんけど。。)

他に、v2015以前にあったCCTVやStressMap、Interference(油膜シェーダー)と言った各種シェーダープラグインや、ノードのシェーダーモデルも全て無くなっていますので、個人的にはv2018内でv2015と完全に同じ絵を作ることは困難というか出来る気がしません。よって以前の考え方は改め、v2018のマテリアルアプローチに基づいた新たな質感表現を再構築することが必要かと思います。
個人的にv2018の新レンダラーは正しい方向に進化していると思っていますし、外部レンダラーも追加し易いシステムに構築されてるいるようなので、今後、サードパーティ製のレンダラー対応にも期待が持てると思います。
とりあえずは、次の改革ステップへと早期に進めなくちゃいけないと思うのですが、ちょっと触っただけでもバグと思わしき不具合には結構遭遇してますので、現在顕在するバグは早急に解消する必要があるでしょうね。
最後に、v2018から新たに追加された機能として、Shapeプリミティブという仮想ジオメトリタイプが実装されていますが、幾つか怪しい振る舞いに遭遇したので不具合っぽいのだけを拾って上げておきます(バグであれば次で修正されていることを期待して)。

Shapeプリミティブに適用したクリップマップのレンダリングです。ノードのクリップでは不具合は確認出来ませんが、サーフェイスエディタ上のクリップだとエラー描画し、オブジェクトのクリップでは無効です。

オジェクトディゾルブです。Shapeではマットな質感になって、影も消えません。

Lightプロパティにあるライト除外設定ですが、Shapeでは影が無効になりません。

DielectricマテリアルではTransmitanceの効果が無効のようです。

モンテカルロの補完モードではオクルージョンのシェーディングが弱いというか、MPS値が正しく処理されていないように思います。


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