6/20/2019

DPontさんのプラグインにDP_Text Genと、Rman Collection(プロシージャルテクスチャ&ノード)に幾つかの新プロシージャルが追加されたのでピックアップしてみます。

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●Grass
https://dpont.pagesperso-orange.fr/plugins/Textures.htm
草や芝(繊維)のようなテクスチャを描画します。

・Color・・草の色
下図100%の草は該当Colorの単独色で割り当てられた草です。Noneの草は該当Colorの設定色が全く割り当てられていない草です。それ以外の草はColor1、Color2、Tip Colorそれぞれの色の合成色です。

Color1の設定色は多数の草に割り当てられる為、Color1の設定色が草全体の色相に最も影響を与える色です(図 Color 1 参照)。
Color2の設定色が単独で割り当てられる草は少ない為、Color2の設定色はColo1やTip Colorが割り当てられた草の色と合成されることになります(図 Color 2 参照)。
Tip Colorはその名称から草先端部の色のはずですが、そのようには見えません(Tip Colorバグの可能性も有り)。Tip Colorの設定色が単独で割り当てられる草は存在しない為、Tip Colorの設定色は必ずColor1,2の設定色と合成されます(図 Tip Color 参照)。
尚、各色の合成処理は加法混色で行われます(図 A~F 参照)。


以下、単位面積(1㎡)での設定。

・Spacing・・草が生える密度
値が小さくなると密度が上がり、値が大きくなると密度が下がります。

・Jitter・・草の配置のバラツキ度合
値が小さい程、バラつきは小さくなり、値が大きい程バラツキは大きくなります。尚、バラツキが大きくなると、それぞれの草の間隔が広がり単位面積当たりの空間が広がる為、上記Spacingパラメータの密度(空間配置)からは乖離します。 

・Length・・草の長さ
値が小さいほど草の長さが短くなり、値が大きい程、草の長さが長くなります。

・Width・・草の幅
値が小さい程細くなり、大きいほど太くなります。0.0は草が消滅するので無効値です。

・Bending・・草の曲げ度合
値が大きくなると草の曲がりが強くなります。0.0は曲がりません。10.0が規定の上限値。それぞれの草には向きがある為、全ての草が曲がったように描画される訳ではありません。又、値を上げてもカール(360°)するような極端な曲げは出来ません。

・Speed・・草の揺れる速度
値が大きい程、速く揺れます。Bendingの値が大きい程大きく揺れます。
Speed1.0/Bending1.0

Speed10.0/Bending1.0

Speed10.0/Bending10.0

・Evaluation Area・・草の描画精度(評価)
値が低いと草の描画が端折られますが、レンダリングは速くなります。見た目の許容範囲内で出来るだけ値を下げた方が良いと思います。下図では値が低い程、黄色丸箇所の草の描画が端折られている事がわかります。デフォルトは5に設定されていますが、試した感じだと3~5辺りがレンダリング速度と品質のバランスが取れているように思います。

・Cut Grass・・先端をカットした草
人工芝やテープのような表現に使えるオプションです。

・Seed・・描画パターン
設定値はパターン数を表します(0はオリジナルのパターン)。全てのパラメータの設定条件のまま異なるパターンに変更したい時に触るパラメータ。


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●Tile Mixer
https://dpont.pagesperso-orange.fr/plugins/Textures.htm

通常シームレスな画像(左図)をタイリングすれば模様は規則的にパターン化します(右図)が、Tile Mixerを使う事でこのパターンを不規則にすることができます(下図)。
メモリ節約の為に低中解像度テクスチャを使ったタイリングによる模様のパターン化を回避します。

※本家サイトには詳細な解説が無い為、以下の解説の多くは自分が試した推測になりますので注意下さい。

・Tile Offset:
合成する画像の位置をオフセット(移動)するパラメータです。
値を上げれば斜めY方向にオフセットする感じです。尚、Seed値が0だと元画像はオフセットしません。Seed1以上で元画像もオフセットするようです。
・Mixer Power:
Mixer Powerが0.0~1.0の範囲では画像のピクセル輝度を透明度に置き換えて合成してるように見えます(0.0で透明、1.0で不透明って感じです)。Mixer Powerが1.0以上になると合成エリアをプロシージャルテクスチャの模様で区分けされ、プロシージャル模様の個々のグラデーションエリアに対して画像合成用のレイヤーが割り当てられる感じがします。グラデーションエリア単位の合成を行うことで模様のランダム性は向上しますが、同時に値を上げ過ぎると元画像の模様は破壊されて行きます。尚、Tile Offsetが0.0の時はMixer Powerによる効果は現れません。

合成処理は1パターンの模様単位でランダムに移動や拡縮や向き(回転)を変えたり、と言ったようなパターン単位のオフセット合成処理は出来ません。
以下は各パラメータをアニメーションさせた動画です。
使用した画像
・Tile Offset値とSeed値による画像の変化を確認してみます。
動画ではTile Offsetを0.0~3.0に変化させ、Mixer Powerは1.0で固定、Seedは0に設定しています。Seedが0の時は合成用の画像はオフセットしますが、元画像はオフセットしません。

次に上の動画の設定からSeedを1に変更したのが下の動画です。
Seedを1以上に設定することで、元画像もオフセットしてることが確認出来ます。

・Mixer Power値による画像の変化を確認してみます。
Tile Offsetを1.0、Seedを0.0、Mixer Powerを0→1.0へアニメーションさせた動画です。
各ピクセルの輝度値を透過度として合成してるように見えるので、画像内の輝度が最も高い白矢印は合成の不透明度が最も高くなっているように見えます。
上の動画では0.0透明↔1.0不透明という画像全体で同じ合成が行われていますが、Mixer Powerが1.0を超えるとどうなるでしょうか?以下の動画ではMixer Powerを1.0→3.0にアニメーションさせています。
Mixer Powerが1.0を超えると、合成範囲にプロシージャルのグラデーション模様が適用されていることがわかります。と書きましたが、そうは見え無いと思うので、更に値を上げ、Mixer Powerを1.0→30.0にアニメーションさせた動画が以下になります。
Mixe Powerの値を上げるとプロシージャルのグラデーション模様がハッキリと確認出来ます。このグラデーションが合成範囲を区分けしている為、Mixer Power値が高くなれば、それだけプロシージャルの密度も上がり、合成範囲の区分けが増えることにより、画像の模様のランダム性が増幅されます。

最後にMixer Power 50.0に固定し、Tile Offsetを1.0→3.0へアニメーションさせた動画です。
プロシージャルのグラデーション模様間で白矢印が出たり消えたりしています。これにより、グラデーション模様の区分毎に合成処理が行われている事がわかります。
これらの挙動を参考にすれば、Tile Mixerのパラメータを調整し易いかもしれません。
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●DP Text Gen
https://dpont.pagesperso-orange.fr/plugins/DP_Text_Gen.html
・フォント形式はTrueTypeをサポートしています。
・テキスト(.txt)ファイルの文字を読み込む事が出来ます。
・文字が拡縮でジャギったり潰れたりしませんが、2バイト文字(日本語等)に非対応なので(日本人的には)なんとも微妙ではあります(笑。
左がメモ帳の入力文字で右がDPTextGenで表示した文字(2バイト文字(日本語全角/半角)は文字化け)
・文字の属性に関するアニメーション(Eボタン)が可能です。
以下のテスト動画は主にこのツールの文字属性を使ったアニメーションですが、動画後半のカウンターアニメーションに限ってはノードによる工夫なので、ツールのネイティブ機能ではありません。

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●Torch
https://dpont.pagesperso-orange.fr/plugins/Textures.htm
4つのタイプの炎(Flame/Torch/Campfire/Fire)が選択出来ます。
何れのタイプもパラメータ数は少ないので設定は非常にシンプルです。
以下動画内の左側はデフォルト設定の炎で、右側がノード合成した炎になっています。
(尚、LWはv2019.0.3の体験版を使用している為、保存が出来ません。よって、ノードはほぼ一発設定なのでクオリティは緩い目で見てやって下さい。)


タイプ:Torch
・規定では煙の質感がマットで味気ないので、ノイズ系のプロシージャルを煙にノード合成してます。
・規定では炎と煙との境界で輝度がグラデーション分離していますが、炎が時間軸上で上下方向に揺れているのに対して、輝度の境界は静止(固定)したままなのが不自然に見えるので、輝度の境界位置にノイズを合成して不自然さを軽減させています。

タイプ:Flame
・規定では炎の周囲にグロー?があるように見えますが、グローは本来レンズエフェクトなので外したいのですが、仕様としてグローを外すボタンが無いようです。よって、Function入力を使ってグロー領域をクリッピングしています。
・蝋燭の炎として、色温度をノード合成しています。

・タイプ:Fire
・規定では炎の背景にグラデーション(黄色系)が設定されていますが、黒に変更してます。
・煙のディテールと色を追加合成してます。

・タイプ:Campfire
・焚火(Campfire)には見え難いので、炎下部をスケールで縮小して規定のシルエットを変更しています。只、シルエットを変える加工をやり過ぎると素のCampfireの表現から遠ざかって行くので、あまり良い方法では無いかもしれません。
・縮小により炎の下部が収束した違和感を緩和させる為に収束箇所にノイズを合成して誤魔化しています。
・炎の色はオレンジ系に色相で変更しています。
・Flamesパラメータを上げれば炎のディテールが細かくなりますが、同時にレンダリングが重くなります。右側では140に設定していますが、リアリティが今一の割には他の炎タイプよりもレンダリングが数倍重くなるので、個人的には一番使いにくいタイプかと思います。

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