8/09/2018

空間内を実際に歩かせる方法(Walk Through Space)で、ベーシックな手付の歩行モーションをMotion Mixerでオフセットリピートする方法を書いてみます。
(数回に別けて書きます)

コンタクト→ダウン→パッシング→アップ→コンタクト。この5つのキーポーズ(右足:後→前)の後に、残りの4つのキーポーズ(左足:後→前)を足した計9ポーズが1ループです。


Motion Mixerを起動し、キャラクタを動かすアイテムを全て選択します。
(作例のキャラクタは駆動・制御アイテム全てをオブジェクトで構成しています(ボーンは使っていません)ので、Actorに必要な全アイテムの選択とMotion Mixerへの取り込みを一括で行っています。)

選択後、上図①をクリックし、②でアクター(キャラクタ)の名称を入れます。
(作例ではActor_01としました)

<補足>
上図のようなオブジェクトのみで構成したリグではなく、ボーンで構成している場合は、ボーンと制御オブジェクト(IKゴール等)の異なるアイテム種の取り込みが必要になります。しかしLWの仕様として異なるアイテム種(ボーン&オブジェクト)を同時選択することは出来ません。その為、アイテム種毎に別けて選択/取り込みを行う必要があります。例えば、まずボーンだけを全選択して上図①、②の工程を実行しActor作成を行います。その後に、制御オブジェクト(IKゴールやターゲットやポールアイテム等)を全て選択して、Motion MixerのActor MenuボタンからAdd Itemsを実行します。これでキャラクタ制御に必要なボーンと制御オブジェクト全ての取り込みを完了させることが出来ます。Actorに取り込んだアイテムはActor MenuボタンのActor Mapで確認します。取り込み忘れがあれば、再度Add Itemsで追加します。

ここまでが、Actorに必要なアイテム構成になります。次にActorのモーションを取り込む作業に入ります。

先程設定したActor名がActor Listのボタンに表示されていることを確認し(③参照)、Create Motionボタンをクリックします(④参照)。Create MotionパネルのMotion Nameに取り込むモーション名を記入します(⑤参照)。(作例ではWalkとしてます)

<補足>
Actor Items:
現在アクティブなActorを構成している全てのアイテムのモーションを取り込みます。
Selected Items:
現在選択しているアイテムのモーションを取り込みます。
ExternalXChannels:
ベースチャンネル(移動/回転/拡縮)以外の非変換チャンネル(例えばエンドモーフやライトカラー等々)を取り込みます。
Start Fram End Fram:
取り込みたいモーションのフレーム範囲を入力します。
Clear Channels:
このボタンを有効にしてOKボタンをクリックすると、Actorに該当するアイテムのシーン上のキーフレームは全て削除されます。Motion Mixerで制御する動きと既存のキーフレームを連携する必要がなければ、通常このチェックはONのままでOKです。

ここまでが事前設定になります。

ここから、ノンリニアアニメーションの制作に入ります。
先程取り込んだ⑥のモーション(Walk)が表示されているのを確認して、⑦のAdd Motionボタンをクリックして、⑧のタイムラインをクリックすると、タイムライン上に⑥のモーションクリップが追加されます。そのクリップの中央付近をドラッグしてクリップの左端を開始フレーム(作例では0frame)に揃えておきます。

次にクリップ(Walk)を右クリックしてAdd Post Behaviorを選択します。

今回は歩行ループを3ループ分にしたいので、図の矢印部の凹マークを右にドラッグして、ビヘイビアを120フレーム迄伸ばします(Walkのクリップが1ループ分(40フレーム)なので、掛ける3ループで120フレームです)。下部の情報フィールドにはアクティブなクリップの長さが表示されます(作例のLenght: 80はビヘイビア(Constant)の尺が80フレームを示しています)。

それではここでプレビスを行います。Previewでチェックします。
ビヘイビアがConstantなので、Walkクリップの長さ(40フレーム)で静止しちゃいます。Constantでは歩行ループを行うことは出来ません。

それでは、ビヘイビアを右クリックしてRepeatに変更して、再度Previewをチェックしてみます。
今度は歩行ループが3回分繰り返されていますが、歩行位置はループの都度、初期位置へ戻ってしまっています。RepeatはWalkクリップのモーションを単純に繰り返すだけです。今回は実際に空間を移動する歩行ループですが、その場で足が空転する歩行モーション、所謂歩行サイクルであれば移動値のオフセットが必要無い為、このRepeatで完結します。

では、ビヘイビアをOffset Repeatに変更してPreviewをチェックします。
これで3回分の歩行ループになりました。空間を移動するモーションのルーピングにはOffset Repeatを用います。1ループの移動量分が次のループでオフセットされるので歩行が前に進むようになります。ちなみに腕の振り(FK)の回転値がオフセットされないのは何故?かと言えば、開始(0)と終了(40)フレームの回転値が同値なのでオフセット量が0になるからです。

ここまではMotion Mixerの基本なので、以上の内容の殆どはマニュアルに記載されています(笑。次回は手付けの歩行モーション制作の注意点とかを書いてみます。

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